安積店の薬剤師のHです。
今年の夏は暑かったですね。
あまりにも暑い日が続くのでよく聞かれました。
「目薬って冷蔵庫にしまった方が良いの?」と。
引き出しとかで良いですよと言うと、
日中部屋を閉め切ってると40℃近くなっちゃうけど大丈夫ですか?
と返されます。
特に冷所保存の指示がある目薬以外は
わざわざ冷蔵庫に入れなくても品質に問題はありません。
なぜなら医薬品は通常の保管温度より高い状態でも
品質に影響が出ないかちゃんと試験しているからです。
加速試験というもので、通常よりも悪い環境に置くことで
品質の劣化を加速させ、どの程度までなら
安全に使用や服用できるかテストしているのです。
例えばヒアレイン点眼液という目薬。
ドライアイなどでよく使われる目薬ですが
40℃で6カ月保存しても品質に影響ない事がちゃんとテストされてます。
目薬だけではありません。
痛み止めで有名なロキソニン錠も40℃で6カ月、
50℃でも3カ月は品質に影響が出ないことが分かっています。
なので、日中の少しの間、気温が30℃を超えたとしても
心配しなくて大丈夫です。
逆に目薬によっては冷蔵庫に入れてはいけないものもあります。
例えばリザベン点眼液という目薬ですが、
目薬を入れる小袋にしっかりと
「冷蔵庫で保存しないでください」と書かれています。
花粉症の時期などによく使われる市販薬の
ロートアルガードクリニカルショットには
「冷蔵庫の中を避けること」と注意書きがあります。
これらの目薬は冷蔵庫に入れておくと結晶が出て、
使えなくなってしまうのです。
では目薬ではなく飲み薬の場合はどうでしょう。
暑い中置いておくよりも、冷蔵庫が良いだろうと考える方もいるでしょう。
しかしこれも冷蔵庫はお勧めできません。
冷蔵庫の中は野菜などを新鮮に保つため意外と湿度が高くなっています。
実は薬は温度よりも湿度に弱いのです。
例えば口に入れるとすぐに溶けて、水なしでも飲める薬には、
「冷蔵庫内は相対湿度が高いため、本製品の冷蔵庫での保管はお控えください」
と言いう注意が書いてあります。
一包化と言っていろいろな薬をひとまとめに包装してある薬も
湿度に弱いことが多いです。
また、冷えたペットボトルを暑いところに置いておくと
表面が結露でびしょびしょになるように
冷蔵庫で冷やされた薬を夏場の暑いところに放置してしまうと、
結露によって錠剤の表面がベタベタになったり、粉薬が固まったりして
ダメになってしまいます。
以上のことから、夏場と言っても引き出しなど、比較的涼しく、
日光の当たらない場所であれば薬の保管は大丈夫です。
郡山にある地域の健康コンサルタント
調剤薬局ミッテルからのアドバイスでした。