後発医薬品のある先発医薬品の選定療養について

安積店の薬剤師Hです。厚生労働省のHPに以下のような案内がありました。

冒頭には「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」

とあります。

今回はこの件について書いてみたいと思います。

まず「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)」についてです。医薬品は発売されてからしばらくは特許があり、他のメーカーは同じ成分を使った薬を販売できません。時間がたって特許が切れると、別メーカーからも同じ成分の医薬品を安価で販売できるようになります。これを後発医薬品といいます。後発医薬品がある医薬品は発売されてから時間がたっているので、長期収載品と呼ばれています。

次に「選定療養」ですが、これは特別な療養を患者が「選定」し、それを保険医療と自費を組み合わせて行える制度の事です。

少しわかりづらいのですが、日本の保険では保険診療と自費を混ぜて行うことが出来ません。保険なら保険。自費なら自費。もし一緒に使うなら全額自費になってしまいます。そこで選定療法という制度が出来ました。例えば入院時に個室を希望する場合、差額のベッド代は自費で払っても、治療は保険で行う事が出来ます。選定療養という制度がないと、個室を希望した場合、すべての治療費を自費で支払わなければならなくなります。

2024年10月からこの選定療養が薬の選択にも適応されます。安価な後発医薬品が発売されている薬の場合、先発医薬品を「選定」すると「先発医薬品と後発医薬品の差額の1/4」を自費でお支払い頂く事になります。対象となる先発医薬品は以下の条件を満たしたものなります。

〇後発医薬品が発売されて5年経過している品目

〇後発医薬品が発売されて5年は経過していないものの、後発医薬品への置き換え率が50%以上の品目

例えば先発医薬品が200円、後発医薬品が100円の場合、差額の100円の1/4にあたる25円が自費となります。この薬を1日3錠飲んでる場合、4週間分だと25円×3錠×28日=2100円となり、2100円に消費税をかけた金額が自費として別に徴収されるようになります。

本来はもっと複雑な計算になるので、これはあくまで概算ですが、先発医薬品を選択した場合は自己負担額が増える可能性があるという事をご理解いただければと思います。

1年間に使われる医薬品のうち、変更可能なものを後発医薬品にするだけで、約1.6兆円の医療費が抑えられると言われています。この機に後発医薬品への変更を考えてみてはいかがでしょうか。

郡山にある地域の健康コタント調剤薬局ミッテルからのアドバイスでした。