おくすり手帳について

安積店の薬剤師Hです。みなさんはお薬手帳をお持ちでしょうか。

いつ、どこで、どんなお薬を処方してもらったかを記録しておく手帳のことです。

最近は携帯のアプリを使用している方も多いと思います。

お薬手帳は1993年に起きた「ソリブジン事件」がきっかけで作られました。

ソリブジンはヘルペスという皮膚疾患の治療薬で、効果も優れており良く使われましたが、ある種の抗がん剤と飲み合わせが悪く、その副作用で十数名の方が亡くなってしまいました。ソリブジンが販売されてからわずか2カ月もたたない間の出来事でした。

当時はほとんどの薬が病院の窓口で出されてましたが、別の病院の薬との飲み合わせは考慮されていませんでした。また、がんなどの重い病気は本人に知らされていませんでした。

そのため、知らず知らずのうちに飲み合わせの悪い薬を飲んでしまっていたのです。

このソリブジン事件をきっかけに、薬の飲み合わせを確認するツールが必要だという事になりました。そして生まれたのがお薬手帳です。飲んでいる薬を手帳に記入する事で、病院や薬局で薬の飲み合わせをチェックすることが出来るようになりました。これにより副作用や悪い飲み合わせを避けることができるようになりました。

また、東日本大震災や能登半島地震など災害で病院の機能やカルテが失われてしまった時、お薬手帳などから薬の内容が確認できれば、処方箋がなくても薬を受け取ることができました。

令和2年の内閣府世論調査では71.1%の方がお薬手帳を利用していると答えています。

お薬手帳はあなたの身を守るツールであり、非常時の助けにもなります。

なのでいざという時のために、すぐに用意できるようにしておくのが良いです。

箪笥の奥にしまって、だれにも場所が分からないようになっていませんか。

携帯のアプリを使用している方は、あなた以外の方がロック解除できるようになっているでしょうか。お薬手帳のアプリやパスワードを知っている方はいるでしょうか。

あなたの意識がなくなって救急車を呼んだ時、すぐにあなたのお薬手帳を用意することが出来る方はいるでしょうか。

いざという時にすぐに活用できるように普段から準備をしておく事で、ご自身の体を守る事につながります。

以上、郡山にある地域の健康コタント調剤薬局ミッテルからのアドバイスでした。