目薬と手洗い

安積店の薬剤師Hです

新型コロナウィルスの流行で、どこに行っても消毒液が
置かれるようになりました。
手の消毒はウィルスの感染予防に大事ですが、目薬をさ
す時にも手の消毒をした方が良いと聞いたことはありま
すか?

目薬の正しい使い方には
「点眼の前に手をせっけんと流水でよく洗う」と言う説
明が必ず入っています。

手を洗う理由は2つあります。
ひとつは手には多くの雑菌が存在するので、その菌によ
って眼が汚染されないようにするため。
もうひとつは目薬の容器の先に触れてしまった時に雑菌
が容器の中に入らないようにするためです。

もちろん目薬には雑菌が増えないように防腐剤が入って
います。

目薬によく使われる防腐剤は『塩化ベンザルコニウム』
という成分で、多くの目薬に使われています。

塩化ベンザルコニウムは殺菌力が非常に高く、新型コロ
ナウィルスにも有効とされています。
しかし、目薬にはギリギリまで濃度を薄めて入れてあり
ます。
濃度が濃いと目の角膜(黒目)を傷つけてしまうことが
あるからです。

ちなみにコンタクトをしたまま目薬がさせない理由もこ
の塩化ベンザルコニウムが原因です。
目薬を何回もつけていると塩化ベンザルコニウムが徐々
にコンタクトレンズに吸着されて濃度が高くなってしま
い、目の表面を傷つけてしまうのです。

最近の目薬の中には、この塩化ベンザルコニウムを使わ
ず別の防腐剤に切り替えているものもあります。
そのため、コンタクトレンズの上からでもつける事がで
きます。しかし殺菌力は弱くなるため、目薬の容器内で
雑菌が繁殖しやすくなります。

目薬は意外と殺菌に汚染されやすくなっています。
雑菌が増えた目薬をつけると、目に炎症が起きることが
あります。目薬をつける前にはよく手を洗って、容器の
先端には触れないようにしましょう。

郡山にある地域の健康コンサルタント
調剤薬局ミッテルからのアドバイスでした。