脱水について


開成店、薬剤師Sです。

暑い時期がやってきましたね。水分はしっかり取れていますか?

今回は高齢者の脱水について書いてみたいと思います。

高齢者の脱水症は多いイメージがありますよね。実際、熱中症による救急搬送者は年間約5万人
と言われていますが、その中の56.3%が、65歳以上の高齢者が占めています。

出典:総務省消防庁 熱中症情報(2022 6/20現在)

高齢者が脱水症になりやすい理由は様々あります。

  • 高齢者は成人と比較して、体内の水分量が少ない
  • のどの渇きを感じる中枢の機能が低下しており、のどの渇きが感じにくくなっている。
  • 暑い日は高齢者は食欲も低下しやすいため水分の摂取量が減りやすい。
  • 高齢者は年と共に腎臓の機能が低下しているため、水分の調節が難しくなり、水分が不足傾向になる。
  • 夜間のトイレの回数が増えることを恐れて水分補給を避けてしまう。等

次に注意すべき高齢者の脱水症のサインですが、

  1. 痰が絡んだ咳を繰り返している。
  2. 脇の下に汗をかいていない。
  3. 皮膚を摘んでみて、元に戻るのに3秒以上かかる。等があります。

自覚症状のないうちに脱水症になっている場合がありますので、頻繁に確認してみてください。

薬剤師の立場としては、脱水と薬の関係についても言及させて頂きます。

薬についても実は脱水と関係があるものがあり、気をつけていただきたいものがございます。

以下は代表的な薬です。

脱水が起きやすい薬

•SGLT2阻害薬(ジャディアンス、フォシーガ等)

•ラシックス、ルプラック(フロセミド、トラセミド)等利尿薬

これらは尿量を増やすため脱水が起きやすく、普段から水分を多めに摂ることが重要です。

脱水に注意が必要な薬

•メトホルミン

脱水で嘔吐、倦怠感を初期症状とする乳酸アシドーシスの危険性が高まります。

•抗精神病薬

脱水で高熱や意識障害を主症状とする悪性症候群発症のリスクを高めます。

•炭酸リチウム

脱水でリチウム中毒(リチウム濃度が基準よりも高くなってしまう病態)が起こる危険性があります。

いかがでしょうか?意外と身近な薬もあったのではないでしょうか?

この薬はどうなの?と気になる点があれば是非、薬剤師に聞いてみてください!

最後に脱水症の対策について

試しやすいものを3つ程紹介します!

  1. エアコンは我慢せず使いましょう。

エアコンの電気代よりも熱中症による治療費、入院代の方が高くつきます。部屋が涼しければ食欲も増えて一石二鳥です。

  • 水を飲むタイミングを決めて、喉が渇いていなくても水分摂取する習慣をつけましょう。

一般的な200mlコップで6杯以上飲むようにしましょう。下の図のように食事や時計が鳴ったタイミングで一杯の水を飲むようにすると飲み忘れが減るのでお勧めです。

出典:キューピーやさしい献立 高齢者の水分補給

  • 外出する際は、帽子や日傘を積極的に使いましょう。

直射日光を避けることは脱水症予防においてとても重要なことです。使ってみるとわかると思いますが、感じる暑さが段違いです。

参考・引用:OS-1脱水対策 気づきにくい高齢者の脱水

まだまだ暑い日が続きますが、水分をしっかりとって元気に夏を乗り越えましょう!

以上、郡山にある地域の健康コンサルタント調剤薬局ミッテルからのお話でした!