高齢者の安全な入浴

みなさん、こんにちは!
ミッテル富田店の高齢者入浴アドバイザー講師で薬剤師のKです。

2月になり、春が近くなりましたがまだまだ寒い時期が続きますね。
この時期は入浴がとても気持ち良い時期で、長風呂もしてしまうかもしれません。
しかし、こういう寒い時期には高齢者による入浴事故が多いのをご存知ですか?
実は交通事故死亡件数よりも、入浴中の死亡件数の方が多いのです。

入浴には水圧による下半身のポンプアップ効果(血液などを上半身に戻す)が
期待され、むくみ改善、デトックス効果などうれしい効果があります。
しかし、高齢者にとっては下半身の血液が心臓により多く戻ってくることにより
心拍出量が増え、心臓に負担がかかります。
そのため、高齢者の入浴中の心臓発作や脳卒中を予防するためには、適切な入浴の
知識が必要になります。
もちろん、ご家族にも知ってもらって損はない情報です。

①入浴前
脱水予防のため水分補給をしましょう。
発汗により「ドロドロ血」になるのを防ぎます。
もちろん、入浴後に水分補給も大切です。
それに加え、急な寒さは体に負担がかかり、心臓発作や脳卒中の原因になる
可能性がありますので、脱衣所や浴室は暖めておくと良いでしょう。

②かけ湯
体の汚れを流す目的もあるかけ湯ですが、実はとても大切な行為です。
急に熱い湯に入浴してしまうと、血圧が急上昇します。
そこから心臓などに負担がかかり、脳血管にも負荷がかかると言われています。
それを防ぐためには、お風呂に入る前にかけ湯を心臓から遠い順にかけていき
ましょう。
足からかけ湯をして、どんどん上がっていくのが良い例です。
体を清めながら、湯に体を慣らしていくと良いでしょう。

③入浴温度
寒い時期の熱いお風呂は気持ちが良いですよね。
年齢を重ねると高温浴(43度以上)を好む方が多いようですが、イメージ
通り心臓など体に負担が大きいです。
私たち日本人にとって気持ちの良い温度は42度ですが、交感神経を活発に
してしまうため目が覚めてしまいます。
そこで、リラックスする目的でお風呂に入るなら、それよりも低い温度(例
えば40度くらい)がおススメです。
このような温度なら寝つきを良くする副交感神経も活発になり、心臓への負
担も少ないので少し長風呂しても安全です。
それに加え、深部体温が低下する時に眠気が出やすくなると言われています。
もしかすると、不眠症に悩んでいる方や薬を飲まないで眠りたい方は入浴温
度を変えて生活習慣を変えてみるのもひとつの手かもしれません。

いろいろと自宅での入浴のコツをお伝えしましたが、もちろん温泉でも使えるコツになります。
日本は温泉大国なのでいろいろな泉質をじっくり味わいたいですよね。
でも、実際の温泉って高温泉が多いと思いませんか?
そこで、分割浴(入浴 → 休憩 → 入浴)や 足湯 → 半身浴 → 全身浴 というように徐々に入浴をしていく方法もあります。
旅先の温泉を安全に楽しむために、ぜひ試してみてください。

以上、今回は入浴についてのちょっとしたアドバイスでした。
当薬局には温泉ソムリエもおりますので、他にも温泉小話や高齢者入浴のコツについて気になる方は、ぜひ当薬局に足を運んでみてください。

郡山にある地域の健康コンサルタント
調剤薬局ミッテル から入浴のお話でした。